抄録
本論文では土壌内のCO2濃度分布を, 拡散係数に基づく土壌構造との関係で明らかにし, かつ, ハウス内CO2濃度に日変化がある時, 土壌内のCO2濃度分布の変化についても研究を行った.
拡散係数が均一な土壌柱では, CO2濃度分布を深さと濃度との関係で表わすと, その分布形は上に凸形を形成する.しかし下層に向って拡散係数がしだいに低下していくような土壌柱では, CO2濃度分布形は深さとともに直線状に濃度が増加するパターンになる.拡散係数の小さい層が下層に厚く, その上に拡散係数の大きな土層が占めている土壌柱では, CO2濃度分布形のパターンは, 上層部で上に凹, 下層部で凸形を示す.また上層部で拡散係数が小さく, 下層部で大きいような土壌柱の場合には, そこで形成されるCO2濃度分布形は上に凸形になることがわかった.このように, 土壌内でのCO2濃度分布形は, 拡散係数に基づく土壌構造によって決まり, (1) 上に凸, (2) 直線状, (3) 上部凹・下部凸の三つのパターンがあることがわかった.またハウス内でのCO2濃度に日変化がある場合でも, 土壌構造が変化しないかぎり, 土壌内のCO2濃度分布のパターンは変らないことも明らかにした.最後に, ハウス内CO2濃度環境を調節するにさいして, 土壌から発生するCO2量のとり方, すなわちCO2量を1日中一定とするか, あるいはハウス内CO2濃度と土壌面での濃度との差に比例した量とするかで換気時間に差がでてくることもあることを明らかにした.