生物環境調節
Online ISSN : 2185-1018
Print ISSN : 0582-4087
ISSN-L : 0582-4087
オガクズーコスヌカ培地を用いたヌメリスギタケ (Pholiota adiposa) の人工栽培法 (2)
発茸と栽培条件
森本 直明衣川 堅二郎小松 貞雄
著者情報
ジャーナル フリー

1979 年 17 巻 3-4 号 p. 127-133

詳細
抄録

ヌメリスギタケ (Pholiota adiposa) の発茸および収穫に及ぼす栽培条件の影響について検討した.発茸に適するオガクズ: コメヌカの材料構成比は菌糸生育の場合と同様5: 1であったが, 培地水分は70%が良好であった.子実体の整一な発生には, エノキタケ, ヒラタケで行われている「菌カキ」が本菌でも有効であり, さらに培地上層を高湿度に保持することが重要であった.そのため, 菌まわりが終った直後に菌カキを行い, 1夜浸水し再び施栓して発茸させたところ, 良い結果を得た.発茸後収穫までは1日2回の散水が必要であった.また, 発茸に適する温度は18℃で, 変温の効果はみられなかった.光は発茸を促進し, 傘の分化発育には不可欠であったが, いずれも10~50luxの弱光で充分であった.強光を与えると傘の着色が著しかった.このキノコの商品としての好ましい姿を考える場合, とくに光条件に注目する必要があろう.

著者関連情報
© 日本生物環境工学会
前の記事 次の記事
feedback
Top