抄録
カボチャ子葉を用いて, 光照射に対する葉表面および裏面温度反応の動特性解析を試みた.子葉表面と裏面の温度差は光照射による温度上昇後気孔蒸散によって葉温が最低になる時点で最大となり, 葉表面および裏面のいずれの方向から光照射した場合にも葉裏面温度が表面温度より0.5℃低いことが認められた.しかし, 子葉をアブサイシン酸 (ABA) によって処理し気孔を閉じさせた場合, 光照射後の差は認められなかった.顕微鏡観察の結果子葉表面の気孔数は裏面の気孔数の80%であった.以上の結果から, 葉裏面における気孔蒸散は表面におけるそれより大であり, このことが光照射下のダイナミク
スにおいて葉裏面温度を表面温度より低下させると考えられる.