抄録
単葉同化箱を用いた光合成速度, 蒸散量, 葉温および環境条件の連続計測システムを試作した.本システムによって成熟期タバコのかん水による土壌水分変化に対する反応を測定し以下の結果が得られた. (1) 土壌pF値が2.72の時点でかん水した場合, 90分後の光合成速度および蒸散量は増加し, 葉温は低下した.これに対して, 土壌pF値が2.41の時点でかん水した場合は, 振幅は大きいが, 90分後の値は, かん水前と大差なかった. (2) かん水後の光合成速度, 蒸散量および葉温の経時変化には, おのおの相関関係があったが, 土壌pF値とは一定の関係が認められなかった. (3) 気孔および葉面境界層の拡散抵抗の和は, かん水後いったん増大し, その後, 徐々に一定値に収束していった. (4) 単位飽差当りの蒸散量に対する光合成速度の比は, かん水後の過渡期においてもほぼ一定で, その値は0.043mb-1であった.