抄録
蒸散ひいてはCaの転流を抑制する目的でトマト幼果にアルミフォイルの袋かけを行った.尻ぐされ果発生と果実肥大成長に及ぼすトマト果実蒸散の場としてのガク片の影響を調べる目的で幼果のガク片を除去した.あわせて果実の肥大成長を測った.また, それらの処理に対して送風が改善効果を有するか試験した.
袋かけもしくはガク片除去によりBER発生は促進された.また, 果実に送風することによりBER発生は抑制された.袋かけとガク片除去のBER発生に対する影響は春夏作が秋冬作より強かった.袋かけとガク片除去により果実肥大は抑制され, 落下が促された.また, 生育初期ほどその影響は大きく, 秋冬作と比較し春夏作で顕著であった.袋かけにより果実, ガク片の乾物率は低下した.正常果に対してBER果ではKとN含有率が高く, Ca含有率が低い傾向を示し, 果実先端部で顕著であった.BER果でK/ca, N/ca, P/ca, N/P, NIK比が増加し, Ca/Mg比が低下した.
以上より果実とガク片の蒸散を抑制することでBER発生率は増加し, これらの部位へ送風することにより改善されると結論できる.