抄録
気温, 送風, 媛化剤散布が, 発育, 体内無機栄養状態, 尻ぐされ果 (BER) 発生率に及ぼす影響を調査した.気温を28℃から24℃に下げることにより個体重, 葉重, 体内成分含量は増加し, BER発生率は著しく減少した.また, 5ppmウニコナゾール散布によりBER発生率が減少したが, 各器官乾物重と果実収量も減少した.BERは高温, 上位葉への送風で高い発生率を示した.BER発生率は果房送風によりやや減少した.果径肥大は開花後13日~22日の間に肥大速度が高くなり, その時期にBERが多発した.果実初期生育時の果径増加速度の最高値は高温, 上位葉への送風により増加した.ウニコナゾール散布により成長速度は低下し, 果径増加速度の最高値が低下した.BER発生率の増加に伴って果実のK含有率が増加し, Ca含有率は減少する傾向がみられた.ウニコナゾール散布により果実のK含有率が減少し, Caの含有率は増加した.BER発生率の増加に伴い果実のK/Ca, N/Ca比は増加し, Ca/Mg比は低下した.
以上より, 果実の肥大初期の高温や蒸散流の低下により, 果実中へのCaの流入が抑制されると, 果実の無機栄養状態が好ましくない状態になりBERが発生すると考えられる.また, 開花後0~25日の果房への冷風送風と開花前後のウニコナゾールの葉面散布がBERの発生を防止するうえで有効であった.