生物環境調節
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イネの葉におけるガス交換のCO2濃度依存性と温度, 光および飽差の影響
今井 勝神田 昭夫
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1995 年 33 巻 4 号 p. 285-291

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抄録

自然光ファイトトロンを用いてイネをポット栽培し, 主茎の葉数が12~13に達した時に人工光ファイトトロンに移し, 1日間順化させた.その後, 最上位完全展開葉につき, CO2濃度 (5~500μmol mol-1) , 葉温 (20, 25, 35℃) , 光強度 (400, 800μmol m-2 s-1 PPFD) , 飽差 (1.1~1.5, 1.6~2.5kPa) の組合せの下でガス交換速度を測定した.高CO2濃度に対する純光合成速度の最大値は高温, 強光, 低飽差 (高湿) 条件下で得られた.純光合成と蒸散の比から求めた葉の水利用効率は, CO2濃度上昇に伴って増大し, 最大値は光強度にかかわらず, 低飽差下で25℃, 高飽差下で20℃の場合に得られた.純光合成速度と細胞間隙CO2濃度の逆数プロットの解析から, 本研究で用いた程度の高温 (35℃) は強光下での葉肉細胞によるCO2固定を促進することが示された.得られた結果にもとづき, 高CO2濃度下でのイネ葉のガス交換に対する温度, 光および飽差の影響に関する論議を行った.

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© 日本生物環境工学会
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