抄録
低湿地での野菜栽培方法を開発するための基礎的検討を行った.低湿地圃場において, 養液栽培法を応用してサツマイモを栽培した.土壌の通気性を高めるため, 土壌畝内に有孔プラスチックパイプを埋設した (通気区) .通気区と同様, 通常の形状の畝 (対照区) を低湿地圃場に設け, 両区でのサツマイモの生育特性および収量を比較検討した.通気区および対照区とも栽培期間を通して, 畝間を湛水状態 (水深20mm) にした.通気区の塊根の生体重, 乾物重および最大直径は, それぞれ対照区の3.6倍, 4.4倍および1.7倍になった.他方, 通気区の塊根以外の根の生体重および乾物重は, 対照区の約半分であった.通気区の地上部生体重, 乾物重, 茎長および葉面積は, 対照区の1/2~2/3であった.通気区の地上部/地下部の乾物重比は, 対照区の1/10であった.通気区の収穫指数 (塊根乾物重/全乾物重) は57%であり, 対照区の4倍であった.低湿地圃場で畝間が湛水状態でも, 土壌の通気性を高めることにより, サツマイモ塊根の生育を促進できることが明らかとなった.