応用生態工学
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事例研究
河川水辺の国勢調査とショッカー船調査による北上川水系 3 ダムにおけるオオクチバス生息状況の比較
冨岡 繁則北方 真理子長岐 孝司沖津 二朗浅見 和弘西條 一彦
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2016 年 19 巻 1 号 p. 37-46

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抄録

北上川ダム統合管理事務所が管理する四十四田ダム,御所ダムおよび田瀬ダムで,1992 年から行っている計5 回の河川水辺の国勢調査に加え,2010-2014 年に電気ショッカー船による魚類調査を行った.

田瀬ダムでは国勢調査と電気ショッカー船調査をほぼ同時期に行い,調査手法による結果の違いを比較することができた.ハスなどの優占種は双方の調査で確認できたが,電気ショッカー船では小型魚類が確認しづらく,モツゴ,ヨシノボリ類等を確認できなかった.一方,国勢調査で確認できなかったニホンウナギ,コイ,オオクチバス等の中~大型の魚類は,電気ショッカー船による調査では確認された.オオクチバスは,繁殖期に湖岸部の浅い場所に生息すること,電気ショッカー船では広域の調査が容易であることから,オオクチバスの生息状況の把握には電気ショッカー船が適していると考えられた.

3 ダムでオオクチバスの生息状況を比較すると,四十四田ダムで最も多く,次いで御所ダムであり,田瀬ダムでは少なかった.これは,繁殖期における貯水位の安定性と関係があり,四十四田ダムでは繁殖期に貯水位が安定しているが,御所ダムではドローダウンによる貯水位低下が早期に起こるため産卵床の干上がりが起こり,田瀬ダムでは年による貯水位変動のばらつきが大きいため継続的な再生産が難しいためと考えられた.

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