抄録
多摩川中流部の水辺における鳥相及び植生の調査結果を「分類樹木」の手法により分析し,その有効性を検討した.分類樹木は,機能的には判別分析に相当するが,本研究において得られた判別精度は,両者でほぼ同等であった.一方,分類樹木は,Yes-No型の条件判断を繰り返すことで最終的な判別に至るという,わかりやすい構造を持っており,判別分析に比べてより広範囲に応用可能であると考えられた.また,説明変数問に交互作用がある場合にも有効な手法であることが確認された.結論として,ランドスケープ計画においては判別分析に比べて分類樹木が利用しやすく,今後広く利用され得る手法であると言える.