抄録
気候変動は人間社会のあらゆる領域に影響を及ぼす地球規 模課題であり,教育も例外ではない。しかし一般的に教育は旧態依然たる手法をもって実践される傾向にあり,次世代のニーズへの応答が求められている。教育を再考する際の課題の1 つとして科学的なデータに加えて社会情動的な要素を採り入れること,すなわちSELの実践が挙げられる。 国内外で「気候変動詩」などの試みが展開されてきたが, ここでは「科学者への手紙」という実践をSELの一例と して考察する。この授業では,不確実性の時代を生きていく次世代に内発的なエンパワメント(力づけ)をもたらすことが目指されており,気候変動時代の学びのあり方とし て示唆に富む実践の一つとして検討したい。