2026 年 39 巻 2 号 p. 107-113
目的:密度40 pcf(pounds per cubic foot),30 pcf,20 pcf の硬質ポリウレタン模擬骨ブロックをインプラント窩形成の訓練時に使用することを目的に,Misch が骨ドリリング感覚をたとえた木材であるカシ材,ホワイトパイン材,バルサ材を用い,その内部構造と機械的強度,切削トルク値を比較した. 方法:各種模擬骨ブロックと木材の内部構造を走査電子顕微鏡(SEM)で観察し,ビッカース硬さと3点曲げ強さを測定した.パイロットドリルとファイナルドリルを用いてインプラント窩形成時の切削トルク値も測定し,一元配置分散分析とKruskal-Wallis 検定を用いて統計処理した.
結果:SEM 観察から,各種模擬骨は100~400 μm の球形の空孔で構成され,その個数,分布が異なり,木材も空孔の形,割合,分布に差を認めた.ビッカース硬さ(Hv)の各種試料(40,30,20 pcf, カシ材, ホワイトパイン材, バルサ材)の平均値は(43.7,22.8,15.3,22.0,14.5,測定不能),3点曲げ強さ(MPa)の平均値は(25.7,15.4,6.3,82.5,83.2,25.2)であった.切削トルク値(N・cm)の平均値はパイロットドリルが(5.25,2.08,1.43,7.22,3.32,1.24),ファイナルドリルは(11.35,7.28,2.53,27.2,13.8,2.6)であった.
結論:各種模擬骨ブロックとMisch 分類の木材のビッカース硬さ,3 点曲げ強さ,切削トルク値について有意差検定を行った結果,ビッカース硬さでは模擬骨の20 pcf がホワイトパイン材相当で,30 pcf と40 pcf がカシ材相当であった.3 点曲げ強さでは40 pcf がバルサ材相当であった.切削トルク値ではパイロットドリル,ファイナルドリルともに20 pcf がバルサ材相当,40 pcf がホワイトパイン材,カシ材相当であった.