栄養学雑誌
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離乳期の子どもの間食に関する縦断研究
――離乳期の菓子類の摂取と幼児期の間食――
会退 友美秋山 陽子赤松 利恵杉本 尚子
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キーワード: 縦断研究, 間食, 離乳期, 幼児期
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2010 年 68 巻 1 号 p. 8-14

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抄録

本研究は,離乳期の間食内容を調べ,さらに10ヶ月児の間食内容と3歳児の間食内容との関連を縦断的に検討することを目的とした。静岡県伊東市保健センターにおいて,平成12年度から15年度に出生した子ども(1313名)を対象に実施した。10ヶ月児と3歳児健康診査の問診票分を利用した。10ヶ月児では,約10%の者が「アイス」,「ビスケット等甘い菓子」を摂取しており,「スナック菓子」は約4%の者が摂取していた。10ヶ月児の間食内容10種をクラスター分析した結果,「アイス」,「スナック菓子」など5種類と「果物」や「ヨーグルト」(砂糖なし)など5種類に分かれた。そこで,前者を摂取している者を「菓子類あり群」とし,摂取していない者を「菓子類なし群」とした。この2群と3歳児の間食との関連を検討した結果,「菓子類あり群」の方が「菓子類なし群」よりも3歳児における間食の総数が多く,「アイス」,「スナック菓子」,「あめ」,「ガム」,「チョコレート」,「菓子パン」を与えると回答する割合が高かった。本研究は,日本で始めて離乳期の間食内容を示すとともに10ヶ月児の間食内容と3歳児の間食内容は関連があることを示した。今後,さらに離乳期の間食について調査を行っていく必要があると考えられる。
(オンラインのみ掲載)

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© 2010 特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
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