栄養学雑誌
Online ISSN : 1883-7921
Print ISSN : 0021-5147
ISSN-L : 0021-5147
原著
周囲からの支援および社会参加の有無と食生活との関連
─自立/自律している男性脊髄損傷者の支援的環境づくりを目指して─
秦 希久子稲山 貴代松下 宗洋篠田 粧子
著者情報
ジャーナル フリー

2014 年 72 巻 5 号 p. 233-242

詳細
抄録
【目的】在宅脊髄損傷者を対象に,1)周囲からの支援および社会参加の有無,2-1)周囲からの支援と社会参加の有無を組み合わせた4群,2-2)周囲からの支援と社会参加の相乗効果,と食に関する行動,中間要因,準備要因との関連を検討した。
【方法】公益社団法人全国脊髄損傷者連合会会員2,731名を対象に,郵送法による自記式質問紙調査を実施した。回答が得られた1,000名(回収率36.6%)のうち40歳以上の男性646名を解析対象とした(有効回答率23.6%)。食に関する行動(6項目),中間要因(2項目),準備要因(7項目)をそれぞれ従属変数に,周囲からの支援と社会参加およびこれらの組合せを独立変数として二項ロジスティック回帰分析を行った。相乗効果の有無は交互作用検定を実施した。
【結果】1)周囲からの支援は食に関する行動,中間要因,準備要因のほとんどの変数で有意差がみられ,支援ありでオッズ比が高かった。社会参加と有意差がみられた変数は3項目のみであった。2-1)支援あり・参加あり群において多くの変数に関連がみられた。2-2)相乗効果がみられた変数は1項目のみであった。
【結論】周囲からの支援と社会参加の双方があることが最も望ましいが,社会参加がなくても周囲からの支援があることで良好な食生活につながること,周囲からの支援と社会参加は食生活においては相乗効果がみられないことが示された。
著者関連情報
© 2014 特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
前の記事 次の記事
feedback
Top