1973 年 31 巻 2 号 p. 57-62
フェニルアラニン水酸化酵素 (Phe H) におよぼす飼料の影響を見るために, Protein depletion したシロネズミにアミノ酸組成の異る飼料を投与, 酵素活性の回復に対する効果を検討した。また, ホルモンに対する反応も知るために, Cortisone 投与などの影響も検討し, 次のような結果を得た。
1. シロネズミ肝臓 Phe H活性は Protein depletion (non-protein 飼料投与) により, 最初の1週間急速に低下する。しかし, 絶食の条件では活性の変化は少なかった。
2. Deplete シロネズミに15% Casein を含む飼料を8日間投与すると, 活性はかなり回復した。Try, Phe などの過剰では回復は遅れたが, Glu, Lys, Thr のそれぞれの過剰は影響は少なかった。また, Phe 欠乏飼料では活性回復にあまり影響なかったが, Phe と Tyr の同時欠乏では回復の遅れは大きかった。
3. Cortisone の投与は Phe H活性に効果はなかった。副腎切除シロネズミに対する Cortisone 投与でも効果を認めなかった。Alloxan 糖尿シロネズミでも対照と比べて活性に変化を認めなかった。