2018 年 13 巻 1 号 p. 164-169
日本地理学会は,GISと地域調査の2分野で4種類の資格の認定事業を管轄している.これらの資格制度は,地理学の社会的地位を高め地理学会が社会貢献をするために設置され,大学教育における地理学の発展を図ることを目的とした.制度の設立は,アウトリーチを意識したものではなかった.しかし,二つの資格制度は,有資格者のバックグラウンドが地理学であることが認知されることで,地理学会の存在を外に向かってアピールすることに貢献している.今後は,日本地理学会サマースクールの充実を図ることなど,地理学会が主導して専門的な視点からのアウトリーチを行うことが必要である.さらに,日本地理学会は,地理学におけるアウトリーチ,社会連携・社会貢献を活性化させるために,さまざまな方法を試みる必要がある.