抄録
本研究では,SNS を利用して相手の誘いを断る場面や本を借用する場面を設定し,児童にメッセージを書かせた.そのメッセージに含まれる感情について,テキスト感情認識 AI システムに判定させた後,児童により良いメッセージになるよう修正させた.児童のモバイル端末所持の有無によって,事前と事後のメッセージに含まれる感情に差があるのかを分散分析で分析した.その結果,事後のメッセージについて,モバイル端末を「所持」する児童は「恐れ」と「悲しみ」の感情を下げるように修正したが,「未所持」の児童は「悲しみ」を下げつつも,「怒り」の感情が向上した.さらに自由記述について KH Coder の対応分析を行った結果, モバイル端末を「所持」する児童は,相手のことを考えてメッセージの加筆修正ができるようになった.