抄録
映像技術はHD,Full-HD,4K UHD,8K UHDと高精細・高画質化が進んでおり,映像信号のフィルタ処理には画像処理で用いられている多次元信号処理が使われている.この映像信号は高い周波数で動作しており,1フレームまたは複数フレームに及ぶ映像信号を高速に処理するために空間または多次元信号処理のハードウェア化が行われている.ハードウェア化の一つとして用いられているFPGA(Field Programmable Gate Array)は内部回路を書換え可能であるため,種々のアルゴリズムを試行できる,消費電力が小さく発熱を抑えることができる等のメリットがある.本稿では二次元のディジタル画像処理フィルタを映像信号に適用するための基本的な事柄及び種々の工夫について述べ,応用例としてファジー推論による処理,Total Variation Filter による繰返し処理,及び,幅広いクラスを定義可能なスタックフィルタなどのFPGAへの適用について述べる.