ファルマシア
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脳虚血後の中枢性および末梢性免疫低下には異なる神経系が関与する
肱岡 雅宣
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キーワード: 脳虚血, CIDS, NK細胞, 神経投射
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2017 年 53 巻 11 号 p. 1116

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抄録
脳血管疾患は,我が国における死亡原因の第4位に位置する疾患であり,その中でも脳梗塞は60%以上の割合を占める.本疾患の症状として,虚血領域の脳機能に基づいた半身麻痺や言語障害等の特徴的な機能障害が発症することはもちろん,排尿困難に起因する尿路感染や肺炎等の合併症によって死に至ることもある.脳梗塞発症後には,末梢において免疫機能低下(CIDS)が起こることが報告されており,免疫を調節する神経系として視床下部-下垂体-副腎系(HPA axis)や交感神経系,副交感神経系が脳梗塞発症後に活性化することが確認されている.しかしながら,細胞性免疫と脳虚血との関連性は不明である.
本稿では,脳内および末梢における細胞性免疫に対する脳虚血の影響を明らかにしたLiuらの論文を紹介する.
なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
1) Meisel C. et al., N. Engl. J. Med., 365, 2134-2136(2011).
2) Meisel C. et al., Nat. Rev. Neurosci., 6, 775-786(2005).
3) Liu Q. et al., Immunity, 46, 474-487(2017).
4) Kalra L. et al., Lancet, 386, 1835-1844(2015).
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© 2017 The Pharmaceutical Society of Japan
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