足関節は複雑な構造をしているかと思いきや,いたってシンプルな構造である.しかも,その構造は合目的的であるため,構造の理屈がわかれば理にかなった動きをしていることがわかる.ここで述べる距腿関節・距骨下関節・遠位脛腓関節は,それぞれの形状によりその動きが規定され,画一的な方向への運動が起こる.リハビリテーション場面では,このような関節運動学上の特性を理解し,内容を踏まえ,定義的な単純運動方向(一方向)である底背屈・内外反などといった3次元空間の定義ではなく,足関節が本来有する運動方向への動き(背屈+外反,底屈+内反)によって運動療法を行うべきであろう.