CRISPR/Cas9システムを用いたゲノム編集技術は,体細胞において効率的に遺伝子破壊を成立させる点で生物学に大きな革新をもたらした.一方,次世代シークエンサーを用いたsingle-cell RNA-sequencing(scRNA-seq)は,個々の細胞における遺伝子発現の網羅的解析を可能にした.本稿ではこれらの手法の統合により,複数の遺伝子破壊とその表現型の解析を同時かつ多元的に行う新たな機能ゲノミクス的手法CRISP-seqについて紹介する.
なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
1) Doudna J. A., Charpentier E.,
Science,
346,1258096(2014).
2) Junker J. P., van Oudenaarden A.,
Cell,
157, 8-11(2014).
3) Jaitin D. A.
et al.,
Cell,
167, 1883–1896(2016).
4) Dixit A.
et al.,
Cell,
167, 1853-1866(2016).
5) Adamson B.
et al.,
Cell,
167, 1867-1882(2016).
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