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巧みな5員環C–C結合活性化ストラテジー
中島 誠也
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2017 年 53 巻 8 号 p. 818

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抄録

有機分子骨格を構成するC–C結合を直截的に活性化する分子変換技術は,極めて魅力的である.一般的に3, 4員環は,C–C結合角がひずんでおり,そのひずみエネルギー(strain energy:SE)を駆動力として容易に開環反応が進行する.一方で5員環はSEが小さいため,開環反応は通常熱力学的に不利な反応となる.そのため5員環C–C結合の活性化は,未だ報告例が少ない.近年,DongらはRh触媒を用いて,シクロペンタノンのC–C結合活性化に成功したので,本稿にて紹介する.
なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
1) Xia Y. et al., Nature, 539, 546-550(2016).
2) Jun C. -H. et al., J. Am. Chem. Soc., 123, 751-752(2001).

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© 2017 The Pharmaceutical Society of Japan
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