ファルマシア
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ヒドロキシルアミンを窒素源とする金属を用いないボロン酸のアミノ化反応
八幡 健三
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2019 年 55 巻 2 号 p. 166

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抄録

アミン類は医薬品や天然物などの生理活性化合物中に広く見られる重要な化合物群である.アミン類,特に芳香族アミンの合成は多くの場合,銅やパラジウムなどの遷移金属を用いたカップリング反応に依存しているが,塩基性条件の使用や残留金属の除去など未だ解決すべき課題が残されている.
一方,遷移金属を用いないアミン類の合成法として,有機ボロン酸のアミノ化反応が注目されている.しかし,これまでに報告されたボロン酸やアルキルボラン等を用いたアミノ化反応は,過酷な反応条件を必要とし,基質一般性に課題があった.今回Niuらは,ボロン酸とヒドロキシルアミンの混合物に対してトリクロロアセトニトリル(CCl3CN)を活性化剤として作用させることにより,金属試薬や塩基を用いることなく,室温下でのアミノ化反応を達成したので,本稿にて紹介する.
なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
1) Coeffard V. et al., Angew. Chem. Int. Ed., 52, 5684-5686(2013).
2) Sun H.-B. et al., Angew. Chem. Int. Ed., 57, 9456-9460(2018).

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© 2019 The Pharmaceutical Society of Japan
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