ファルマシア
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55 巻 , 2 号
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目次
  • 2019 年 55 巻 2 号 p. 102-103
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/02/01
    ジャーナル フリー
    ミニ特集:AMR対策の現状と問題点を考える
    ミニ特集にあたって:抗菌薬は現代の医療において重要な役割を果たしており,感染症の治癒,患者の予後の改善に大きく寄与してきた.一方,抗菌薬には,その使用に伴う有害事象や副作用が存在することから,抗菌薬を適切な場面で適切に使用することが求められている.近年,不適正な抗菌薬使用に伴う有害事象として,薬剤耐性菌とそれに伴う感染症の増加が国際社会でも大きな課題の1つに挙げられている.そのようなことを回避するため,2017年に抗微生物薬適正使用の手引き(第一版)が厚生労働省にて作成された.本ミニ特集では,抗菌薬適正使用について各分野の専門の先生方に執筆していただくことにより薬剤耐性(AMR)対策の現状と,その問題点について考えてみたい.
    表紙の説明:四季を楽しむ薬用植物 アロエ 伊豆半島の外海に面した崖を覗いてみると,真っ赤な花がいっぱい自生していた.「アロエだ!」思い出した.子供の頃,火傷をすると,母が鉢植えのアロエをちぎって皮をむき,火傷をした指をおおってくれた.どこの家庭にもアロエの鉢植えがあった.昭和40年代頃まで,アロエは「医者いらず」の民間薬として重宝されていた.医療と薬局の発展とともにアロエの鉢植えはいつしか家庭からなくなっていった.すっかり忘れかけていたアロエが,こんな所で逞しく生き抜いている姿に感動した.
グラビア
  • 大和 孝江
    2019 年 55 巻 2 号 p. 97-100
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/02/01
    ジャーナル 認証あり
    大塚グループの発祥会社である株式会社大塚製薬工場(徳島県鳴門市)の本社敷地内には、輸液の歴史、技術、製品を一堂に展示した輸液ライブラリーがあります。1940年頃のナス型と呼ばれるガラスアンプルから現在のソフトバツグに至るまでの輸液容器の変遷、現在の輸液製造のフローパネル、医療施設を再現した無菌調剤研修室などを展示しています。また、同敷地内には当社最初の事務所(兼)研究室であった施設もあります。
オピニオン
Editor's Eye
ミニ特集 セミナー
ミニ特集 セミナー
ミニ特集 セミナー
ミニ特集 セミナー
  • 黒田 照夫
    2019 年 55 巻 2 号 p. 126-130
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/02/01
    ジャーナル 認証あり
    ペニシリンの発見以来,感染症治療において人類は天然物の恩恵を受けてきた.現在においても放線菌等の微生物や植物が創り出す二次代謝産物は,新しい感染症治療薬のシーズとしての可能性を秘めている.一方で,様々な製薬企業や研究者がありとあらゆる微生物や植物を用いた有用物質のスクリーニングを行ってきた経緯から,構造未知の化合物を新たに見つけることもなかなか困難になってきている.また求められる感染症治療薬のニーズも様々なうえ,耐性菌に効果があり,かつ耐性菌が出現しにくいといった特性を持ったものでないと開発を始めることすら難しい状況である.
    本稿では天然物そのもの,または天然物からの誘導体を用いた創薬研究の例について紹介し,話題提供したい.
ミニ特集 話題
  • 赤沢 学
    2019 年 55 巻 2 号 p. 131-133
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/02/01
    ジャーナル 認証あり
    AMR対策に関しては、抗菌薬使用や入院期間が減少し、医療費削減につながったという報告は多い。一方で、そのAMR対策に必要な費用についての研究は限られている。費用対効果は、限られた医療資源を効率的に使用するための指標(ものさし)で、期待できる効果(社会的、臨床的)に対して、投資する費用(ヒト、モノ、カネ)は妥当なのか、受け入れることは可能なのかを判断する材料になる。AMR対策の事例を取り上げつつ、医療経済評価の分析手法を紹介する。
ミニ特集 話題
医療の現場から
話題
  • 山田 陽城
    2019 年 55 巻 2 号 p. 140-144
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/02/01
    ジャーナル 認証あり
    保健医療は、開発途上国で必要な医療の提供や感染症の制御など国際保健と関連する多くの課題を抱えている。グローバルレベルでの保健問題について解決を図るための学問である国際保健は、医薬に関わる問題が多いにも関わらず、6年制の薬学教育の現状においてはその取り組みは少ない。発展途上国における熱帯病などの治療薬開発を目的とする医薬品開発パートナーシップ機関の活動を実例に、薬学教育における国際保健について考えてみたい。
話題
最前線
承認薬インフォメーション
  • 新薬紹介委員会
    2019 年 55 巻 2 号 p. 155-157
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/02/01
    ジャーナル 認証あり
    本稿では既に「承認薬の一覧」に掲載された新有効成分含有医薬品など新規性の高い医薬品について,各販売会社から提供していただいた情報を一般名,市販製剤名,販売会社名,有効成分または本質および化学構造,効能・効果を一覧として掲載しています.
    今回は,54巻11号「承認薬の一覧」に掲載した当該医薬品について,表解しています.
    なお,「新薬のプロフィル」欄においても詳解しますので,そちらも併せてご参照下さい.
新薬のプロフィル
  • 山田 佐紀子
    2019 年 55 巻 2 号 p. 158-159
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/02/01
    ジャーナル 認証あり
    ブレクスピプラゾール(レキサルティ®)は,大塚製薬で合成されたSerotonin-Dopamine Activity Modulatorという新しい作用機序を有する抗精神病薬である。ドパミンD2受容体及びセロトニン5-HT1A受容体に強く結合し部分アゴニストとして作用し,セロトニン5-HT2A受容体に強く結合しアンタゴニストとして作用する。6週間の無作為化二重盲検試験から,本剤2mg/日は急性期の精神病症状を改善させること,既存の抗精神病薬で問題になっている有害事象の発現頻度が低いことが示された。
前キャリアが今に生きること
留学体験記 世界の薬学現場から
  • 中村 伸之
    2019 年 55 巻 2 号 p. 162-163
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/02/01
    ジャーナル 認証あり
    国内外を含む数種の職を経験したので,簡単な職歴から紹介する.大学院在学中に調剤薬局にて調剤業務,大学院修了後,製薬会社で約3年間OTC医薬品の安定性試験法の開発および試験法のバリデーションに従事した.2003年から2年間は青年海外協力隊の一員として南アフリカ共和国に薬剤師ボランティアとして赴任した.帰国後,前職場に戻り,海外赴任で得た英語力を生かすために先端技術調査室で海外の文献調査をする機会を得た.その後,海外で臨床薬剤師になることを目標に日本国内で病院薬剤師の経験を積む.2007年に妻とともにオーストラリアに移住した.当時,日本の薬剤師免許をオーストラリアでの薬剤師資格として認定するシステムが確立されており,現地の大学に通うことなく薬剤師になれるチャンスがあった.しかし,現地の新卒薬剤師と競合しての職探しは難航を極めた.そこで,どんな形であれ薬のスペシャリストとして社会に貢献したいと柔軟に考えた結果,幸運なことにブリスベンにて製薬会社の実験室に勤務することができた.そして,これまでに3つのポジションを経験し,現在に至っている.以下に,私が海外勤務を通して経験した日本との違い,驚いたことについて記す.
トピックス
  • 八幡 健三
    2019 年 55 巻 2 号 p. 166
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/02/01
    ジャーナル 認証あり
    アミン類は医薬品や天然物などの生理活性化合物中に広く見られる重要な化合物群である.アミン類,特に芳香族アミンの合成は多くの場合,銅やパラジウムなどの遷移金属を用いたカップリング反応に依存しているが,塩基性条件の使用や残留金属の除去など未だ解決すべき課題が残されている.
    一方,遷移金属を用いないアミン類の合成法として,有機ボロン酸のアミノ化反応が注目されている.しかし,これまでに報告されたボロン酸やアルキルボラン等を用いたアミノ化反応は,過酷な反応条件を必要とし,基質一般性に課題があった.今回Niuらは,ボロン酸とヒドロキシルアミンの混合物に対してトリクロロアセトニトリル(CCl3CN)を活性化剤として作用させることにより,金属試薬や塩基を用いることなく,室温下でのアミノ化反応を達成したので,本稿にて紹介する.
    なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
    1) Coeffard V. et al., Angew. Chem. Int. Ed., 52, 5684-5686(2013).
    2) Sun H.-B. et al., Angew. Chem. Int. Ed., 57, 9456-9460(2018).
  • 李 鐘光
    2019 年 55 巻 2 号 p. 167
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/02/01
    ジャーナル 認証あり
    一般的に低分子医薬品の開発は,化学合成と薬理活性評価を繰り返すことで候補化合物を選定する.この合成対象化合物には1060という膨大なケミカルスペースが存在し,さらに化学合成の各工程も溶媒や反応温度,基質・触媒の当量などの組み合わせとして107の中から最適条件を見いだす必要がある.そのために,いかに使用する化合物数を少なくし,効率化できるかが鍵となる.今回Gesmundoらは,この膨大な探索作業に対し,ナノモルスケールハイスループット(NanoHT)合成技術と質量分析を用いたアフィニティ評価試験を連続的に組み合わせた,NanoSARシステムによる超効率的な低分子医薬品候補化合物の探索システムを報告したので紹介する.
    なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
    1) Gesmundo N. J. et al., Nature, 557, 228-232(2018).
    2) Santanilla B. D. et al., Science, 347, 49-53(2015).
  • 出口 貴浩
    2019 年 55 巻 2 号 p. 168
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/02/01
    ジャーナル 認証あり
    カルボン酸は,医薬品開発において,最も重要なファーマコフォアの1つとして認識されている.その代表としてヤナギから発見されたサリシン(サリチル酸配糖体)が知られ,その誘導体のアセチルサリチル酸は非ステロイド性抗炎症薬として広く臨床にて応用されている.一方で,カルボン酸の水酸基をチオール基に置換したチオカルボン酸のファーマコフォアとしての寄与については,未だ十分な検討はなされていない.チオカルボン酸のファーマコフォアとしての可能性を示す一例に,チオキノロバクチン(thioQB)では,チオカルボン酸を有することで抗菌活性が認められることが報告されている.Dongらは,メチシリン耐性Staphylococcus aureusなどに有効な化合物としてStreptomyces platensisの二次代謝産物から見いだされたプラテンシマイシンおよびプラテンシン(PTs:PTMおよびPTN)に着目し,その生合成過程を検討したところ,PTsのthio体も併せて産生していることを報告した.PTsはジテルペノイド由来の親油性部分と3-amino-2,4-dihydroxybenzoic acid(ADHBA)がアミド結合で縮合した化学構造を有している.彼らはPTsの過剰生産株であるS. platensis SB12029株を使用して研究を行い,PTsとともにチオプラテンシマイシンおよびチオプラテンシン(thioPTs:thioPTMおよびthioPTN)が産生されていることを見いだした.本株においてptmA3およびptmU4それぞれの欠損株では,thioPTsが産生されなくなることから,thioPTsの産生にこれらの遺伝子クラスターの関与が示唆された.さらに,既知のチオカルボン酸およびチオエステルの産生に関与する遺伝子クラスターとの比較から,PtmA3はacyl-CoA synthaseであり,ATPおよびCoAの存在下,ADHBAからADHBCoAを産生することが明らかにされた.また,PtmU4は同様にtypeⅢCoA-transferaseであり,ATPおよびSドナー存在下,ADHBCoAからADHBSHを産生することが確認された.さらに,ADHBSHのアミノ基にジテルペノイド由来の親油性部分がarylamine N-acetyltransferase(PtmC,PtnC)により転移されることでthioPTsが産生されることが見いだされている.なお,PtmA3およびPtmU4による転移反応は,SドナーおよびCoA存在下,各種アリルカルボン酸からチオカルボン酸の産生を触媒し,これらの酵素はその他の放線菌に加え,多くの微生物ゲノムに保存されていることも明らかにされた.
    なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
    1) Ballatore C. et al., Chem. Med. Chem., 8, 385-395(2013).
    2) Matthijs S. et al., Mol. Microbiol., 52, 371-384(2004).
    3) Dong L.B. et al., Nat. Commun., 9, 2362(2018).
    4) Dong L.B. et al., Bioorg. Med. Chem., 24, 6348-6353(2016).
  • 木村 晋一郎
    2019 年 55 巻 2 号 p. 169
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/02/01
    ジャーナル 認証あり
    3Dプリンターは,デジタルデータに基づき3次元の造形を行う装置であり,様々な分野で応用されている.形状,大きさ等をcomputer-aided design(CAD)上で変更することで,個々の患者に合わせて投与量や薬物放出速度等を調整した製剤を容易に調製可能であることから,薬学分野においても個別化医療を推進する有用なツールとして注目されている.3Dプリンターには様々な造形方式があるが,なかでも熱溶融積層方式,粉末接着方式を用いた製剤化研究が盛んに行われている.しかしながら,熱溶融積層方式では高温での操作が必要となることから,熱に弱い薬物への適用が難しく,粉末接着方式では造形物の強度が低いといった課題がある.
    このような背景のもと,電気流体力学(electrohydrodynamic: EHD)技術を用いた3Dプリンティングが注目されている.本方式では,ナノファイバーの調製において汎用されているelectrospinning(ES)と同じノズルを用い,造形テーブルを三次元方向に動かしながらファイバーを積層させることで造形する.3D EHDプリンティングは,熱に弱い薬物にも適用可能で,高い強度が期待できる.これまでに,3D EHDプリンティングを用いたパッチ製剤の開発が報告されている.
    本稿では,3D EHDプリンティング技術を経口製剤の設計に応用した例を紹介する.
    なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
    1) Wang J. C. et al., Sci. Rep., 7, 43924(2017).
    2) Wu S. et al., ACS Appl. Mater. Interfaces, 10, 24876-24885(2018).
    3) Liu J. et al., Nat. Commun., 8, 124(2018).
  • 梁 陸伊韻
    2019 年 55 巻 2 号 p. 170
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/02/01
    ジャーナル 認証あり
    ヒトは腸内に細菌叢を構成することで健康を維持しており,常在細菌叢の変容は疾患に直結する.腸内細菌叢の構成には年齢や人種,生活習慣などの因子が関連するが,腸内細菌の宿主共生のメカニズムについては不明な点が多い.近年,腸内細菌叢と宿主の相互作用に免疫系の調節が関わることが注目されている.免疫グロブリンA(IgA)は粘膜免疫により病原菌に対しては防御反応を担う一方,我々の腸粘膜において共生しているある種の腸内細菌に結合(コーティング)して,細菌の宿主への定着に関わっていることが明らかとなってきた.IgAの欠乏は腸内細菌叢バランスに多大に影響を及ぼすことから,IgAによる腸内細菌の宿主への定着プロセスの解明が望まれてきた.腸内細菌が宿主に定着するためには細菌同士の凝集が必要である.最近,Donaldsonらは,IgAが腸内細菌叢の優勢菌の1つであるBacteroides fragilis(B. fragilis)の凝集を促進することにより,本細菌の宿主への定着と安定的な宿主共生を維持することを明らかにした.
    なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
    1) Bollinger R. R. et al., Immunology, 109, 580-587(2003).
    2) Moor K. et al., Nature, 544, 498-502(2017).
    3) Donaldson G. P. et al., Science, 360, 795-800(2018).
    4) Coyne M. J. et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U. S. A., 105, 13099-13104(2008).
  • 正木 佑治
    2019 年 55 巻 2 号 p. 171
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/02/01
    ジャーナル 認証あり
    神経・精神疾患の病態や病因の解明に向けて,遺伝子変異や異常タンパク質などに着目した分子病態研究が広く行われている.一方で,神経回路レベルでの病態の理解は未だ不十分であり,神経回路研究の重要性が高まっている.これまでに電気生理学的手法やCa2+イメージングによる神経活動の計測は広く行われているが,生体内のドパミン,セロトニン,アセチルコリンなどの神経伝達物質をライブで時空間分解能高く計測する方法はなく,これら神経伝達物質の神経回路レベルでの役割は未だほとんど明らかになっていない.本稿では,Patriarchiらが生体内でのドパミンの挙動をライブイメージングできる緑色蛍光タンパク質センサー「dLight1」の開発に成功したので,ここで紹介したい.
    なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
    1) Patriarchi T. et al., Science, 360, eaat4442(2018).
    2) Sun F. et al., Cell, 174, 481-496(2018).
    3) Jing M. et al., Nat. Biotechnol., 36, 726-737(2018).
  • 平尾 雅代
    2019 年 55 巻 2 号 p. 172
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/02/01
    ジャーナル 認証あり
    パーフルオロオクタン酸(PFOA)は,難燃剤や撥水剤として汎用されてきた.また,PFOAはフッ素系製品に不純物として含まれることが知られている.PFOAは環境中で分解されにくい残留性の高い有機フッ素系化合物である.この性質のため,飲料水中から見いだされていることに加え,ヒトの血清等からも検出されており,生体影響が懸念されている.PFOAやこれと同じ有機フッ素化合物であるパーフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)と乳がんの関連性が示唆されている.PFOAやPFOSが女性ホルモン系を修飾し得る内分泌かく乱物質と考えられており,最近PFOSによる乳がん悪性化の一部にエストロゲン受容体(ER)の活性化が関与することが報告された.しかし,PFOAによる乳がん増悪とERの活性化に関する共通の結果は得られていない.本稿では,正常な乳房上皮細胞の特徴を有するMCF-10A細胞をモデルとした解析により,PFOAがERによらない機構で悪性形質転換を誘導することを初めて示したPierozanらの研究成果を紹介したい.
    なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
    1) Bonefeld-Jorgensen E. C. et al., Environ. Health., 10, 88(2011).
    2) Pierozan P. et al., Arch. Toxicol., 92, 705-716(2017).
    3) Pierozan P. et al., Arch. Toxicol., 92, 1729-1739(2018).
    4) Kjeldsen L. S., Bonefeld-Jørgensen E. C., Environ. Sci. Pollut. Res. Int., 20, 8031-8044(2013).
    5) Wolf C. J. et al., Toxicol. Sci., 106, 162-171(2008).
  • 工藤 敏之
    2019 年 55 巻 2 号 p. 173
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/02/01
    ジャーナル 認証あり
    ボノプラザンは新しい作用機序を持つプロトンポンプ阻害薬(proton pump inhibitor: PPI)であり,我が国においてのみ販売されている.PPIであるエソメプラゾールは,CYP2C19の活性を阻害することが知られており,CYP2C19基質であるジアゼパムなどが併用注意とされているが,ボノプラザンの添付文書にはCYP基質との相互作用の記載はない.チエノピリジン系抗血小板薬であるクロピドグレルおよびプラスグレルは,消化管出血のリスクを増大させることが知られているため,その予防のためにPPIを併用することが推奨されている.一方で,クロピドグレルはCYP2C19およびCYP3A4に,またプラスグレルは主にCYP3A4によって活性体に変換されるプロドラッグであることから,併用薬による代謝阻害に基づく抗血小板作用の減弱が懸念される.本稿では,クロピドグレルおよびプラスグレルの薬効に及ぼすエソメプラゾールおよびボノプラザンの影響について臨床薬物相互作用試験により検討した例を紹介する.
    なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
    1) Abraham N. S. et al., Am. J. Gastroenterol., 105, 2533-2549(2010).
    2) Kagami T. et al., Clin. Pharmacol. Ther., 103, 906-913(2018).
    3) Nishihara M. et al., Clin. Pharmacol. Ther., 104, 31-32(2018).
    4) Kagami T. et al., Clin. Pharmacol. Ther., 104, 33-34(2018).
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