ファルマシア
Online ISSN : 2189-7026
Print ISSN : 0014-8601
ISSN-L : 0014-8601
最前線
グリア細胞によるかゆみの慢性化機構
津田 誠
著者情報
ジャーナル フリー

2020 年 56 巻 9 号 p. 830-834

詳細
抄録

アトピー性皮膚炎などの皮膚疾患に伴う慢性的な痒みの研究はこれまで皮膚を中心に進められてきたが,近年,痒みの神経伝達メカニズムの理解が進むにつれ,研究のフォーカスが神経系に向けられている。本稿では,脊髄後角のグリア細胞の1つであるアストロサイトが慢性掻痒時に活性化し,同細胞が放出する因子が痒み神経伝達を強めるという,痒みの慢性化における新しいメカニズムを紹介する。これらの成果から神経系を標的とした治療薬の開発に繋がる可能性が期待される。

著者関連情報
© 2020 The Pharmaceutical Society of Japan
前の記事 次の記事
feedback
Top