抄録
非アルコール性脂肪性肝疾患(non-alcoholic fatty liver disease: NAFLD)の男性 16 名
を対象に、エネルギー制限と魚類摂取を推奨した栄養食事指導を 6 ヶ月間実施した結果、
10 名に腹部超音波検査に基づいた NAFLD Score の低下が認められ(改善群)、6 名に
はNAFLD Scoreの低下が認められなかった(非改善群)。改善群では、NAFLD Scoreに
加えて、体重、BMI、ALT 値、HOMA-IR の有意な低下がみられた。改善群においても、
非改善群においても、エネルギー摂取量は両群で有意に低下したが、n-3系多価不飽和
脂肪酸(n-3PUFA)摂取量と魚類摂取量、血漿ドコサヘキサエン酸および n-3PUFA 組成
の有意な増加は、改善群でのみ認められた。これらの結果より、NAFLD Score の改善に
は、エネルギー摂取量の減少だけでなく、魚類・n-3PUFA 摂取の増加が、有用であること
が示唆された。