食品・臨床栄養
Online ISSN : 2187-3259
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  • 久木 久美子, 久保 益秀, 宮嵜 潤二, 坂井 孝
    2021 年 e2021 巻 p. 1-10
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/07/06
    ジャーナル オープンアクセス
    東洋医学的体質を体格の概念から胃熱体質,脾虚体質に分類し,Fat Mass and Obesity-associated(以下,FTO)遺伝子型(野生型,変異型)との関連を,体格指数(以下,BMI),健康・食習慣から検討した.対象は,日本在住の20-69歳415人(女性239人)である.対象者のBMI中央値(四分位範囲)は,21.8(4.6)kg/m2であり,低体重6.5%,普通74.5%,肥満19.0%であった.東洋医学的体質における変異型保有率は,脾虚体質25.2%,非胃熱/脾虚体質33.8%,胃熱体質39.3%であり,それぞれの体質の体格指数(以下,BMI)の中央値と正の関連性が認められた(傾向性の検定,p=0.015).また,胃熱体質と脾虚体質のBMIは遺伝子型による差はなかったが,非胃熱/脾虚体質のBMIは野生型20.6kg/m2,変異型23.6kg/m2で,遺伝子型と強く関連し(p<0.001),変異型保有の非胃熱/脾虚体質のBMIはどの体質よりも高かった.体質と関連する健康・食習慣について,胃熱体質では,喫煙習慣が有り(p=0.022),調整オッズ比(95%信頼区間)は,夕食を腹いっぱい食べる2.51(1.54-4.10),塩分を好む1.89(1.17-3.05)であった.脾虚体質は,脂質摂取を避け(p=0.020),疲れを感じやすく(p=0.004),調整オッズ比(95%信頼区間)として女性2.23(1.29-3.88)が抽出された.非胃熱/脾虚体質の体調は良好であったが,変異型保有者のマーガリン摂取頻度は野生型より高かった(p=0.028).本研究より,胃熱体質は,肥満に加え高血圧などと関連するリスクを有していた.脾虚体質はBMI低値とともに冷えや疲れなどの不調に留意すべき体質であることが示唆された.また,非胃熱/脾虚体質の変異型保有者は,BMIの変化と高エネルギー食品摂取に注意すべきであることが示された.
  • 保川 清, 喬 穎, 伊東 昌章, 久米 大祐
    2021 年 e2021 巻 p. 11-18
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/10/09
    ジャーナル オープンアクセス
    食後の急激な血糖値上昇を抑制するために、食品中のα-グルコシダーゼ阻害物質が注目されている。中でもクワ葉に存在するイミノ糖である1-デオキシノジリマイシン(1-DNJ)は強い阻害活性を有する。本論文ではイミノ糖のα-グルコシダーゼ阻害とクワ葉パウダーの摂取による食後高血糖の抑制について述べる。
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