抄録
バイオマス発電所燃焼灰の林地施用が樹木の成長に与える影響を検討するため、四国南西部の若齢ヒノキ林において個体あたり年に1 kg ずつ燃焼灰を施用し、年間成長量を2年間にわたって記録した。線形混合効果モデルによって、胸高直径および樹高の年間成長量が灰施用によって減少し、1年1回だけの施用より2年連続2回の施用によって成長量がより低下することが示された。実験室内での溶出試験から、施用後の初回の降雨によってカリウム、硫酸、および塩素といった塩類が高濃度で溶出し、若齢ヒノキの成長を抑制したと考えられた。樹木の成長低下をおこさないように燃焼灰を林地に撒くには、量や散布方法を慎重に検討する必要がある。