抄録
八ヶ岳連峰東斜面の山梨県北杜市の県有林において、絶滅危惧種ヤツガタケトウヒの保全のため、1ha の試験地を設置し、2005年と2017年に調査をおこなった。この期間中、生存幹本数が2,755本から 1,248本に減少、胸高断面積合計(BA) が 30.0m2 から 31.4m2 に微増、出現樹種の分類群が37から29に減少した。ニホンジカの被害によって、幹本数と出現樹種数が減少したと考えられた。ヤツガタケトウヒは、2005年に樹皮ガードを取り付けたことで、母樹サイズの胸高直径20cm 以上は42本から36本の減少にとどまった。しかし、若木サイズの胸高直径20cm 未満が8本から2本に低下し、後継樹が見られないことから、自生地保全のために苗木の増殖が必要と考えられた。