抄録
北海道札幌市南部に位置する森林において7年間(2004年 ‒ 2010年)にわたってコウモリ捕獲調査を行った。194回の捕獲作業の結果、コテングコウモリ、ヒメホオヒゲコウモリなど6種がのべ285頭捕獲された。コテングコウモリには体重と前腕長に明確な雌雄差が認められ、メスがオスより大きかった。ヒメホオヒゲコウモリは体重にのみ明確な雌雄差が認められ、逆にオスがメスより大きかった。コテングコウモリのメスの体重は顕著な季節変動を示し、当調査地では7月に出産・子育てが行われ、8月初めに当歳仔が独立して飛翔を始めると推察された。また、母親が子育て期に大きく体重を減らす可能性が示唆された。