森林総合研究所研究報告
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海岸林の生育基盤盛土に植栽されたクロマツと広葉樹の根系発達 -千葉県山武市小松と富津市富津における調査結果の検討-
宇川 裕一小森谷 あかね太田 敬之小野 賢二萩野 裕章新田 響平野口 宏典
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2021 年 20 巻 3 号 p. 185-194

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抄録
千葉県の九十九里浜と富津岬の海岸林においては、標高が低く地下水位が高いため低湿地が多く、海岸林の主要な樹種であるクロマツが過湿害を受けないよう、約30年前から盛土によって地盤を嵩上げし、根系が発達できる生育基盤を確保した上で再造林を行ってきた。しかし、盛土造成時に重機による転圧を受け、土壌硬度が高くなり、植栽木の根系が深くまで発達しない事例もみられる。またマツ材線虫病対策の一つとして、広葉樹林化も検討されている。本稿では、盛土を伴う海岸林に導入可能な樹種を明らかにするため、小松と富津の海岸林に設定した調査地において、盛土の土壌硬度と根系発達の関係を調査した。その結果、深さ80cm付近に地下水位が見られた富津では、クロマツとタブノキの根の鉛直方向への発達は、固結した土壌層と地下水位によって阻害されているように見えた。地下水位が確認で きなかった小松では、深さ30cm付近に固結した土壌層が見られたが、この層を通過する直径1cm未満の細い根が、樹種によらず多く見られた。これらの結果から、海側林縁からある程度の距離がある海岸林内陸部の適度な軟らかさの盛土を伴う生育基盤においては、クロマツと同様に、タブノキをはじめとした広葉樹も導入できる可能性があることが示唆された。
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