択伐後の更新補助作業として小面積樹冠下地がきおよび人工根返しを実施した北海道の針広混交林において、作業実施後10年目における稚樹の更新状況を統計モデリングにより検証した。更新可能と判断された稚樹が存在する確率におよぼす両者の効果は正、すなわち更新可能稚樹の存在確率を高くすると推測された。シカ柵は90%程度の確率で下層植生の植生高を高くする効果を持つと推定されたが、これを経由した間接効果を含めても、総合的にはシカ防護柵は更新可能稚樹の存在確率を高くすると推定された。 また、ウダイカンバは、小面積樹冠下地がき・人工根返しのいずれによっても定着が促進されることが示唆された。