森林総合研究所では林野庁の各森林管理局と共同で、およそ160か所の収穫試験地を全国の国有林に設定し、最長で80年以上にわたって長期継続調査データを収集している。本報では、平成28~令和2年度に調査を実施したスギ・ヒノキ・カラマツ・トドマツの人工林収穫試験地等42試験地(82試験区)および落葉広葉樹・アカマツの天然林収穫試験地2試験地(4試験区)の調査結果を試験区ごとに集計し、過去のデータとともに報告した。これらの時系列データは収穫表の検証や調製だけでなく、成長動態解析、各種成長モデルの開発・高度化、林分密度指標の検討、森林調査手法の改良、林業の収益性の評価等に関するさまざまな研究で活用されている。現在計測を継続している収穫試験地等の固定試験地の多くは高齢林になりつつあるため、調査の継続により、貴重な高齢林のデータを供給できる。