森林総合研究所研究報告
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22 巻, 3 号
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論文
  • 清野 嘉之, 赤間 亮夫
    原稿種別: 論文
    2023 年22 巻3 号 p. 109-131
    発行日: 2023/09/29
    公開日: 2023/09/29
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    電子付録

    放射線被ばくによる健康上のリスクを減らすうえで、食用野生種の放射性物質濃度を知ることが重要である。2011年の福島第一原発事故の影響を受けた地域に生育する食用野生光合成生物種 (植物、陸生シアノバクテリア、岩石上生地衣類) 380種2094部分、非食用野生光合成生物27種72部分、食用栽培植物15種22部分、計422種2187部分のサンプルを2015~2019年に採取し、生育地の堆積有機物層と土壌から生物体に移行する放射性セシウム137 (137Cs) の面移行係数 (Tag) 値を求めた。野生種の食用部位137Cs Tag平均値は種によって大差があった (種Tagの最大/最小比は栄養器官で約2000、有性繁殖器官で約920)。食用野生種の代表的食用部位の種Tag平均値について、栄養器官、有性繁殖器官別に重回帰分析を行ったところ、森林に生育する種は林外に生育する種よりTag値が高い傾向があった (P < 0.023)。また、データが得られた栄養器官で、付着根を持つなど樹幹や石などに生物体を付着させて生育する種はTag値が高かった (P < 0.010)。種の生態的特性は種の137Cs Tagに大きな影響を与えた。種によって137Cs Tagが大きく異なることから、食用光合成生物の放射能の食品安全性評価は種を単位とすることが重要である。

短報
  • 服部 友香子, 升屋 勇人
    原稿種別: 短報
    2023 年22 巻3 号 p. 133-139
    発行日: 2023/09/29
    公開日: 2023/09/29
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    茨城県つくば市のフジ、岩手県盛岡市内のリンゴおよびヤエヤマブキの枯死枝上にPhaeobotryon 属の一種が確認された。その形態的特徴および分子系統学的位置から、本菌はPhaeobotryon aplosporum M. Pan & X. L. Fa と同定された。これまで日本からのPhaeobotryon 属菌の報告は無いことから、本邦初記録となった。本種は、複数の地域および宿主上で確認されたため広く日本国内に分布する可能性があり、また本属菌には樹木病原菌が含まれることから、今後も分布および生態を明らかにする必要がある。

研究資料
  • 西園 朋広, 細田 和男, 齋藤 英樹, 高橋 正義, 北原 文章, 山田 祐亮, 鄭 峻介, 志水 克人, 石橋 聡, 古家 直行, 辰巳 ...
    原稿種別: 研究資料
    2023 年22 巻3 号 p. 141-190
    発行日: 2023/09/29
    公開日: 2023/09/29
    研究報告書・技術報告書 フリー

    森林総合研究所では林野庁の各森林管理局と共同で、およそ160か所の収穫試験地を全国の国有林に設定し、最長で80年以上にわたって長期継続調査データを収集している。本報では、平成28~令和2年度に調査を実施したスギ・ヒノキ・カラマツ・トドマツの人工林収穫試験地等42試験地(82試験区)および落葉広葉樹・アカマツの天然林収穫試験地2試験地(4試験区)の調査結果を試験区ごとに集計し、過去のデータとともに報告した。これらの時系列データは収穫表の検証や調製だけでなく、成長動態解析、各種成長モデルの開発・高度化、林分密度指標の検討、森林調査手法の改良、林業の収益性の評価等に関するさまざまな研究で活用されている。現在計測を継続している収穫試験地等の固定試験地の多くは高齢林になりつつあるため、調査の継続により、貴重な高齢林のデータを供給できる。

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