森林総合研究所フラックス観測ネットワークを構成する熊本県北部の小流域 (鹿北流域試験地2号沢) において、土壌の物理化学特性についての調査・分析を、微地形単位に着目して実施した。土壌の一般物理性に関しては、特にB層で容積重が大きく、全孔隙率が低く、飽和透水係数は尾根部よりも中腹で良好な値を示した。土壌の保水機能に寄与する有効孔隙率は全体的に低く、小孔隙率は特に低いことが明らかになった。土壌の化学性に関しては、全体的にpHや交換性カチオン濃度が低く、酸性で貧栄養な特徴を持っていた。また、炭素、窒素濃度ともに全国平均を大きく下回っており、九州の他の地域より風化の進んだ土壌であると考えられた。