森林総合研究所研究報告
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鹿北流域試験地2 号沢における土壌の物理化学特性
大貫 靖浩 伊藤 優子今矢 明宏玉井 幸治小林 政広吉永 秀一郎清水 貴範
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2025 年 24 巻 3 号 p. 211-218

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抄録

森林総合研究所フラックス観測ネットワークを構成する熊本県北部の小流域 (鹿北流域試験地2号沢) において、土壌の物理化学特性についての調査・分析を、微地形単位に着目して実施した。土壌の一般物理性に関しては、特にB層で容積重が大きく、全孔隙率が低く、飽和透水係数は尾根部よりも中腹で良好な値を示した。土壌の保水機能に寄与する有効孔隙率は全体的に低く、小孔隙率は特に低いことが明らかになった。土壌の化学性に関しては、全体的にpHや交換性カチオン濃度が低く、酸性で貧栄養な特徴を持っていた。また、炭素、窒素濃度ともに全国平均を大きく下回っており、九州の他の地域より風化の進んだ土壌であると考えられた。

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