抄録
最近、多くの駅でチップ制のトイレや有料トイレが見受けられる。また、都心のデパートの多くがトイレを改修し、高級感の高いトイレが増えてきた。こういった変化は、利用者の公共のトイレに対する意識の変化をあらわしていると言えるだろう。つまり、「臭い、汚い」トイレという意識から、「くつろげる空間」としてのトイレという意識への変化だ。新たにデザインされ、生まれ変わったトイレを調査したところ、それらのトイレに共通点が見られた。それは、機能性の向上と意匠性の向上である。この二つの要素が両方満たされた時、くつろげる空間としてのトイレが成立する。これから設置、もしくはリニューアルされるトイレは、この二つをいかにして両立させていくかが課題となる。