抄録
アルミパネル外装材に使用される陽極酸化皮膜仕様について、シール目地からの汚れに対し有効な洗浄剤を検討中である。前回は、著しい汚れに効果があると思われる特殊洗浄剤(フッ化物含有、強酸性、強アルカリ性)を用い、健全な陽極酸化皮膜仕様に対して模擬洗浄試験を行った結果、フッ化物含有タイプが最も皮膜表面に影響を与えることを報告した。今回は模擬洗浄試験片を1年6ヶ月間、垂直暴露試験に供し、皮膜表面の変化を確認した。その結果、前回、模擬洗浄による拭きムラが確認されたフッ化物含有タイプを使用した水準では、白化がより進行していることが確認された。また、皮膜表面をSEMにより観察した結果、この水準には多数のクラックが確認された。