日本建築仕上学会 大会学術講演会研究発表論文集
Online ISSN : 2760-3423
2004年大会学術講演会研究発表論文集
会議情報

キトサン複合樹脂を用いた室内塗料のホルムアルデヒドの吸着と再放散性
*和田 環本橋 健司浦上 忠逢坂 太志的場 康浩
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 8

詳細
抄録
近年、環境問題や我々の健康や安全に対する関心が強くなり、住環境においては室内空気質が化学物質により汚染されて生じるシックハウス症候群などが社会問題になっている。前報では、「キトサン」を応用した環境に優しい塗料を作ることを目的にキトサン複合エマルションを合成し、プレエマルション法で得られた樹脂で調整した室内用塗料はホルムアルデヒドの吸着効果を有し、JIS K 5663の塗膜品質を満たすことを確認した。本研究では、このキトサン複合エマルション及びこれを用いた塗料のテドラーバックでのホルムアルデヒドの吸着と吸着後のADPAC小形チャンバーでの再放散性について検討した。この結果、ホルムアルデヒド吸着後のキトサン複合樹脂及びこれを用いた塗料の温度、湿度の異なる条件下での小形チャンバーでの放散試験では、20μg/m2·h以下の放散速度を示し、さらに、キトサンに吸着したホルムアルデヒドはFT-IRスペクトルから化学的に安定であると考えられる。
著者関連情報
© 2004 日本建築仕上学会
前の記事 次の記事
feedback
Top