抄録
寒冷地における外装材は,実環境下の影響による劣化に対応した耐凍害性の評価方法が求められている。当研究室では,外装材の吸水性状と耐凍害性の関係を検討し,材料の吸水性状から耐凍害性を評価できる可能性があることを示している。しかし,乾湿繰返し等による吸水性状の変化と耐凍害性の関係は明らかになっていない。本報では,モルタルを対象とし,調合,水セメント比,空気量,乾湿繰返し等の条件が吸水性状に及ぼす影響と,それらの条件と耐凍害性との関係を検討した。その結果,凍結融解・乾湿繰返しなどの影響による初期吸水速度の変化と質量変化率との間には深い関係があるなど,吸水性状からの耐凍害性評価についての知見を得た。