抄録
近年、PCa板の軽量化、大型化に伴って、PCa板表面に0.1mm以下の微細ひび割れが発生するという問題が顕在化している。この問題の解決策として0.1mm以上のひび割れに追従できる弾性のふっ素樹脂の使用も考えられるが、(1)仕上がり性が制限される (2)塗膜付着力が低い傾向にあり、膨れが発生し易い (3)汚れ易い といった問題があった。そこで、上塗りを硬質のふっ素樹脂とし、塗膜付着力を向上して膨れ発生を防止した塗装仕様を開発した(既報)。この開発塗装システムを実大PCa板へ塗装した結果、屋外暴露4年後経過した時点でも躯体に発生した0.1mm程度の微細ひび割れに追従しており、付着強度も3~4N/mm2と高い付着力を維持していた。