日本建築仕上学会 大会学術講演会研究発表論文集
2011年大会学術講演会研究発表論文集
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アルミニウム合金製建築材料に対する粉体塗装の性能評価
その6 実態調査結果の解析に基づく耐久性の評価
*近藤 照夫伊井 敏彦村井 知之郷田 勇治鈴木 誠
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会議録・要旨集 オープンアクセス

p. 42

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抄録
前報で述べた海外の建築物に対する実態調査の結果を統計解析して、以下のような結果を得た。(1)塗膜の白亜化には、日射量と経過年数の影響が特に大きく、経験的な考え方と一致している。(2)表面光沢の変化には、日射量、降雨量と経過年数の影響が特に大きく、降雨量は白亜化等級と同様に光沢保持率の低下を抑制しており、方位は偏回帰係数が負で、南面の光沢低下が最大となる経験的な考え方と一致している。(3)色差には日射量の影響が最も大きいが、回帰式による計算値と実測値の相関性が劣り、十分な解析結果が得られていない。(4)上記解析の結果によれば、東京都内の一般的な環境でポリエステル粉体塗装を建築外装へ採用した場合には、白亜化は施工後10年で等級1、20年後で等級3と推定される。日射強度が最も大きい南面の光沢保持率は施工後10年で65%、20年後で45%と推定できる。(5)上記の塗膜劣化は、現状で一般化している溶剤系塗料を加熱硬化した塗膜の耐久性と比較しても、劣るものではないと判断できる。
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© 2011 日本建築仕上学会
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