抄録
伝統的木造建築物の一つである茅葺屋根は年々減少しており、伝統的な茅葺建築を保全するためには屋根の長期耐用化が求められている。しかし、茅の種類と茅勾配を区別した茅葺屋根の雨の影響による内部温湿度と乾燥性状の観点から耐久性に関わる検討を行った事例はない。本研究では、茅葺屋根を保全するために屋根の長期耐用化に繋げられるよう、降雨後の早期乾燥状態を確保するため、実際の茅葺屋根に葺かれる材と茅勾配に着目した実験を行い、検討した。実験の結果、茅勾配がきつい部分には水分保持性の低い茅、緩い部分には余剰水が少ない茅を用いることで、降雨後の早期乾燥状態を確保する等の対策を取ることが有効になるといえる。