1980 年 21 巻 1 号 p. 67-74
従来,電気教材の指導には豆電球が主として扱われてきたが,ここに模型用モーターをブラックボックスとしてとり入れることにより,学習活動が多様化され,電気回路の概念がより深化するのではないかと考え指導してみた。この時,次のような仮説を立てた。①子供の活動がより活発になるだろう。② 乾電池の十一のちがいをより明確に意識するだろう。③回路概念がより定着するだろう。④ 電気の衝突説をかえるだろう。授業実践を行ない,その記録をもとに仮説を検証してみた結果,①~②に関しては完全に支持されたが④に関しては支持されなかった。この授業では,モーターを児童に与え自由試行をし,さらにプロペラを取り付けることにより扇風機を作り,その扇風機を発ぽうスチロールの板の上にのせてプロペラ船を作るという活動を行なったわけであるが,授業を通して児童が予想以上に生き生きと,興味を持って活動し,知的な深まりもあった