日本理科教育学会研究紀要
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種間交雑でえられる人為三倍体ムラサキツユクサの作出とその減数分裂
藤島 弘純
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1984 年 24 巻 3 号 p. 37-42

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抄録

二倍体ムラサキツユクサ(Tradescantia paludosa, 2n=12)と四倍体ムラサキツユクサ(T.reflexaまたはT.virginiana, 2n=24)の人工種間交雑によって,三倍体ムラサキツユクサ(F1,2n=18)を作出した。このF1梱物の減数分裂第一中期では6個の三価染色体が観察でき,二倍体および四倍体ムラサキツユクサのゲノム構成はAAおよびAAAAと推察できた。二倍体と四倍体の種問交雑には,早朝に開花したばかりの花から除雄する方法で作業能率をあげることができた。人為三倍体は多年性を示し,その栽培管理も至極容易であることがわかった。本雑種は,ゲノム分析をふまえた減数分裂の実習教材としての利用価値が高いと判断した。

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© 1984 一般社団法人日本理科教育学会
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