日本理科教育学会研究紀要
Online ISSN : 2433-0140
Print ISSN : 0389-9039
マイコンによる高校物理実験レポートの指導
田中 昭夫谷本 勝太郎
著者情報
ジャーナル フリー

1984 年 24 巻 3 号 p. 31-35

詳細
抄録

高校物理実験の指導上の問題点の一つは,事後指導における実験レポートの指導である。実験レボートのうち.データと計算結果の部分をマイコンに評価させる方法を研究した。評価の観点は,測定回数.測定値の有効数字,計算の検算.計算値の有効数字,実験結果と物理定数表の値との比較,データのばらつき,グラフから求める諸定数などが考えられ,実験題目によって必要な観点をプログラムする。生徒は実験レポートを書いた後,データと計算結果をマイコンに入力して評価を受ける。指導教師はこの部分をチェックして,実験ノートの検討事項などを中心に評価,指導する。具体的な実施例として"記録タイマーによる重力加速度の測定”を紹介した。愛媛県総合教育センターで実施される小・中・高校教員対象の理科実験講座で試行した結果は満足なものであり,ほとんどマイコンに触れた経験のない教師でも容易に操作することができた。マイコンが小・中・高校の理科実験室へお目見えする日も近いので,一つの効果的な使用法として,この研究を続けていきたい。

著者関連情報
© 1984 一般社団法人日本理科教育学会
前の記事 次の記事
feedback
Top