重さが同じで大きさの異なる二つの物体を持ち比べたとき、我々には体積の大きい方が軽く、小さい方が重く感じられる。このような現象をシャルパンティエ効果(Charpentier's effect)あるいはSize-weight illusionと呼んでおり、成人から精神遅滞児に至るまで広く認められる。シャルパンティエ効果に関する研究は、すでに多くの人々によって成されているが、設定条件の重さが100g~200g程度の場合がほとんどで、しかもその多くは定性実験的な内容である。そこで本研究では、重さの範囲をもっと広げ、 150g • 500g • 1000gのボールを使ってシャルパンティエ効果を調べた。さらに実験方法を工夫することによって、この効果の大きさを定量測定することを試みた。この結果、シャルパンティエ効果は錯覚的な現象ではあるが、単に定性的にだけでなく定最的にも予測可能な現象であることが明らかとなった。