1987 年 28 巻 2 号 p. 7-11
生物・地学の進化分野では、数百万年から数十億年という巨視的な時間を扱う。しかし、この巨視的時間概念は充分に吟味されているとは言えないと思われる。そこで、本研究では高校生を調査対象とし、生物進化史を調査内容とする巨視的時間概念の実態調査を行った。その結果、個々の事項がどの様な順序に起こったかについて、高校生は高い理解を示した。また、生物進化史における、古生代、中生代、新生代、そして有史時代を大まかに区別することが出来た。しかし、以下の2つの誤解があることが明らかになった。(1) 生物進化史を、実際の期間より短く見積もっていた。(2) 生物進化史の中での古生代、中生代、新生代、有史時代を、生徒は比較的大きく見積もっていた。