1991 年 32 巻 2 号 p. 71-80
本研究においては、中学生の電流と電圧概念理解の背景にある認識論理を明らかにするため、基本的な電気回路についての実態調査を実施して被験者の論理構造の基本的なパターンを抽出した。その抽出においては「IF~,THEN」形式に基づくプロダクションによる分析を試みた。その結果、以下のことが明らかになった。1. 電流・電圧概念の定着率は低いが、回答には一定のパターンが見られた。2. 電気回路の認識においては、「各部の電流と電圧はともに変化する」というように「動的」に捉えられる群と、「各部の電流と電圧はともに一定である」と「静的」に捉えられる群とに大別された。3. 学習者が電圧概念を理解する際には、電流概念に対する理解と同一の判断根拠を有していた。4. プロダクションによって子ども達の論理を示すことにより、彼らの判断の前提部分を明示することができ、問題の解決にあたっていかなる知識を適用し、いかなる場面に注目しているか等の傾向を把握することができた。