主催: 阿萬 裕久, 天㟢 聡介
会議名: 第32回ソフトウェア工学の基礎ワークショップ(FOSE2025)
開催地: 愛媛県松山市
開催日: 2025/11/06 - 2025/11/08
p. 105-110
AI 技術の進展とリモートワークの定着により,ソフトウェア開発には迅速な変化対応が求められ,アジャイル導入が広がっている.しかし,ハードウェアを含む機能安全システムでは製造プロセスの固定性や厳格な安全規格が障壁となり,アジャイル開発の適用は限定的である.本研究は,機能安全タスクの課題とアジャイル導入阻害要因を明らかにすることを目的に,共同研究企業における機能安全分野の開発部門を対象としたアンケート調査を実施した.分析の結果,安全要求定義,規格準拠確認,およびドキュメント作成が恒常的なボトルネックであり,経験年数に応じて審査関連タスクの負荷が集中する実態が明らかとなった.さらに,要求変更の影響把握や曖昧さ低減に向けた仕組み,効率的な文書化やトレーサビリティ支援が必要であることが示唆された.今後の展望として,これらの課題に対しては,若手とベテランで構成されるチームに部分的にスクラムを導入することが有効であると考える.