日本薬理学雑誌
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総説
PP2A阻害因子を標的とした抗がん戦略の可能性
大浜 剛
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2015 年 145 巻 6 号 p. 293-298

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抄録
Protein phosphatase 2A(PP2A)は細胞内の主要なセリン・スレオニンタンパク質脱リン酸化酵素(Ser/Thr protein phosphatase)であり,広範なシグナル伝達系を制御する.また,PP2Aは重要ながん抑制因子であることが知られており,多くのがんでPP2A活性の低下が観察される.がんにおけるPP2A活性の低下には,SET,cancerous inhibitor of PP2A(CIP2A),PME-1(protein phosphatase methylesterase 1)といったPP2A阻害因子の発現上昇が深く関与しており,近年これらPP2A阻害因子を標的としてPP2A活性を回復させることが,新たな抗がん戦略として注目されつつある.本稿では,PP2Aの活性制御機構を概説するとともに,PP2A阻害因子を標的とした抗がん戦略の現状と可能性について解説したい.

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© 2015 公益社団法人 日本薬理学会
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